故今敏監督作品 「千年女優」をいまさら紹介する。

 

f:id:gandy923:20180116031158j:plain最近では、現実に疲れ果て、二次元やヴァーチャルな世界に逃げ込んでしまう人もいるのではないでしょうか。

YOUTUBERですらヴァーチャルになってしまい、ディストピア感が漂い始めたなと思うこの頃です。

さて、前置きこの辺にして今日は今は亡き今敏監督の作品である「千年女優」を紹介していきたいと思います。

今敏といえば「PERFECT BLUE]、「東京ゴットファーザー」、「パプリカ」が有名かと思いますが。そのなかでも最も感銘を受けた作品がこの「千年女優」でした。

概要としては、隠居している元大女優千代子が、愛した男性を追い求め続けた半生を回想するという形の物語になります。

千代子の出演した作中の映画と千代子の生きた現実の出来事が入り混じりながら展開するため、一度見ただけで内容を把握することは難しいかもしれません。

しかし、この映画が何を言おうとしていたのかが理解できれば、現実と虚構が入り混じったストーリーの謎が氷解するので、この作品を見終わったあとはぜひじっくりと考えていただきたいです。

ネタばれにならない程度に私見を述べさせてもらうと、今敏監督は、この作品で「現実を超える虚構」を描こうとしたのではないでしょうか。DVDのパッケージの裏には「夢と現の狭間の狂気」とあります。確かに「狂気」という部分はあったように思えますがが、千代子は「現実」よりも「虚構」に生きることを選んだのであれば、彼女にとってフィクションは「現実」よりも重要なものだったはずです。

冒頭でもはなしたように、二次元やヴァーチャルがあふれかえる昨今、この作品を鑑賞し、考えを巡らせることは意味のあることではないでしょうか。